定着力が採用を左右|御殿場市の外国人住民3,507人から考える雇用戦略
御殿場市の外国人住民は、2026年6月30日時点で3507人となり、市の総人口8万2671人の約4.2%を占めています。3月末の3341人から、わずか3か月で166人増えました。御殿場市には製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業など多様な雇用がありますが、採用後の定着には、仕事内容や給与だけでなく、通勤、住居、交通安全、日本語、冬の寒さへの対応が関係します。特に車通勤が必要な職場では、外国人社員本人の努力だけに任せず、会社として安全教育や生活支援の仕組みを整えることが重要です。本記事では、御殿場市で外国人雇用を検討する企業が、採用前と入社後に確認すべきポイントを解説します。
外国人住民は3507人|御殿場市人口の約4.2%に
御殿場市が公表している人口・世帯数一覧表によると、2026年6月30日時点の総人口は8万2671人です。
内訳は日本人住民が7万9164人、外国人住民が3507人となっており、外国人住民は市人口の約4.2%を占めています。
2026年3月31日時点では、総人口8万2650人、外国人住民3341人でした。3月末から6月末までの3か月間で、総人口は21人増、外国人住民は166人増えています。
| 基準日 | 総人口 | 外国人住民 | 外国人住民の割合 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月31日 | 8万2650人 | 3341人 | 約4.0% |
| 2026年6月30日 | 8万2671人 | 3507人 | 約4.2% |
| 3か月間の増減 | 21人増 | 166人増 | 約0.2ポイント上昇 |
外国人住民数と外国人労働者数は同じではありません。外国人住民には、企業で働く人だけでなく、子ども、学生、配偶者、就労していない家族なども含まれます。また、3か月間の増加だけで長期的な傾向を断定することはできません。
それでも、外国人住民が市人口の約4.2%を占める状況は、御殿場市の企業にとって無関係ではありません。
外国人材を採用する企業が増えれば、職場だけでなく、住居、買い物、学校、医療、交通など、地域生活との関わりも強くなります。
外国人採用は、内定を出した時点で完了するものではありません。御殿場で安心して働き、暮らせる状態まで考えることが、長期定着の第一歩です。
御殿場市で外国人雇用が広がる背景
御殿場市で外国人住民が増えている理由は、人口統計だけでは断定できません。
ただし、市内に製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業など、幅広い雇用の受け皿があることは、地域で働きながら暮らす外国人が増える背景の一つと考えられます。
製造・小売・観光関連の雇用が多い
御殿場市の令和7年度版統計書に掲載された2021年経済センサスによると、市内の全産業の従業者数は4万1689人です。
産業別では、製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業が大きな割合を占めています。
| 産業 | 従業者数 | 全産業に占める割合 | 想定される人材需要 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 8409人 | 20.2% | 製造、設備、設計、品質、ITなど |
| 卸売業・小売業 | 8273人 | 19.8% | 販売、物流、企画、海外対応など |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 5297人 | 12.7% | 接客、予約管理、企画、多言語対応など |
| 運輸業・郵便業 | 2184人 | 5.2% | 物流、運行管理、事務など |
これらは外国人だけの従業者数ではなく、日本人を含む全従業者の統計です。
しかし、御殿場市には工場、商業施設、観光施設、宿泊施設、飲食店など、さまざまな職場があることが分かります。
在留資格によって任せられる仕事は異なる
外国人を採用する際は、会社の業種だけでなく、本人の在留資格で予定している仕事ができるかを確認する必要があります。
製造ライン、店舗での接客、飲食店のホールや調理補助などの仕事と、CAD、機械設計、品質保証、システム開発、通訳、海外向け企画などの専門業務では、対象となる在留資格が異なります。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」で採用できる可能性がある仕事には、次のようなものがあります。
- ・機械設計、電気・電子設計
- ・CADを使用した図面作成や設計変更
- ・品質データの分析や不具合原因の究明
- ・生産技術、工程設計、設備導入
- ・社内システムの開発、運用、保守
- ・WEB・アプリ開発
- ・サーバー、ネットワークの設計・運用
- ・通訳、翻訳、海外営業支援
- ・外国人顧客向けの企画、広報、マーケティング
一方、製造ラインの組立、梱包、仕分け、レジ、配膳、客室清掃などを主業務とする採用は、一般的に技人国の対象にはなりません。
職種名ではなく、実際の仕事内容と本人の学歴・職務経験との関連性が重要です。
車通勤の多い地域で企業が行うべき交通安全教育
御殿場市では、駅や主要な道路の周辺を除くと、自動車がなければ通勤や日常生活が難しい地域があります。
御殿場市住宅マスタープラン策定時の住宅関連事業者へのヒアリングでも、「鉄道やバスの便がよくない」「車がないと生活ができない」という意見が挙げられています。
工場や事業所が駅から離れている場合、外国人材の採用では、仕事内容や給与と同じくらい通勤手段の確認が重要です。
面接・内定時に確認する項目
- ・現在の住居から会社までの距離と所要時間
- ・公共交通機関で通勤できるか
- ・早朝勤務や夜勤にも対応できる交通手段があるか
- ・日本で有効な運転免許を持っているか
- ・自動車を所有しているか、購入予定があるか
- ・任意保険へ加入しているか
- ・雪や凍結のある道路で運転した経験があるか
海外で取得した免許を持っていても、そのまま日本で運転できるとは限りません。日本で有効な免許かどうかを確認する必要があります。
また、本人が「車で通勤できます」と答えても、保険、駐車場、冬用タイヤ、通勤経路まで確認しなければ、入社後に通勤できない問題が起こる可能性があります。
会社が実施したい交通安全教育
- ・会社までの推奨通勤経路を一緒に確認する
- ・事故が多い交差点や見通しの悪い道路を説明する
- ・一時停止、横断歩道、踏切などの日本の交通ルールを確認する
- ・駐車場の出入り方法や社内の徐行ルールを説明する
- ・事故や故障が起きた場合の連絡先を渡す
- ・降雪、凍結、濃霧が発生した場合の対応を決める
- ・自転車通勤の場合もヘルメット、ライト、保険を確認する
交通安全教育は、外国人社員だけを特別扱いするためのものではありません。
日本の道路事情や冬の運転に慣れていない社員へ、事故を防ぐために必要な情報を具体的に伝えるものです。日本人の新入社員を含め、通勤時の安全ルールを統一する方法も有効です。
通勤事故が起きてから対応するのではなく、入社前に通勤方法を確認し、入社時に安全教育を行うことが重要です。
社宅・賃貸住宅・冬の生活支援が定着を左右する
御殿場市外や静岡県外から外国人材を採用する場合、転居が必要になることがあります。
採用が決まっても、住居を確保できなければ入社できません。企業は、採用活動と並行して、本人がどこに住み、どのように通勤するかを確認する必要があります。
社宅を用意する場合の注意点
- ・家賃、共益費、駐車場代、光熱費の負担者を明確にする
- ・給与から控除する金額と根拠を本人へ説明する
- ・入居人数、同居、来客、騒音などのルールを伝える
- ・ごみの分別と収集日を写真付きで説明する
- ・退職や転職時の退去期限を雇用契約とは別に整理する
- ・故障や水漏れが起きた場合の連絡先を示す
社宅のルールを口頭だけで説明すると、担当者と本人の認識がずれることがあります。
やさしい日本語や写真を使った入居案内を用意し、説明後に本人と確認することがトラブル防止につながります。
民間の賃貸住宅を探す場合
- ・外国人の入居に対応できる不動産会社を案内する
- ・保証会社や緊急連絡先の条件を確認する
- ・敷金、礼金、仲介手数料などの初期費用を説明する
- ・勤務地までの距離と通勤手段を確認する
- ・入社日までに契約と引っ越しが完了するか確認する
御殿場市住宅マスタープランの事業者ヒアリングでは、外国人から一定の住宅需要がある一方、外国人の居住に関するトラブルも挙げられています。
これは、外国人だから問題が起きるという意味ではありません。契約内容、ごみ、騒音、駐車場、退去時の手続などを十分に説明しないまま入居すれば、国籍に関係なくトラブルが起こります。
御殿場の冬を具体的に説明する
御殿場の1月の平年値は、平均気温が2.7度、平均最低気温がマイナス1.9度です。
温暖な地域や東南アジア出身の社員にとっては、凍結、降雪、暖房器具、冬用タイヤなどが初めての経験になる場合があります。
- ・暖房器具の安全な使い方
- ・結露と換気の必要性
- ・水道管や屋外設備の凍結
- ・冬用タイヤやタイヤチェーン
- ・路面凍結時の運転と徒歩通勤
- ・大雪や警報時の出勤判断
- ・防寒着や寝具の準備
「寒い地域です」と伝えるだけでなく、何を準備し、どのような危険があるのかを具体的に説明しましょう。
地域の日本語教室も活用できる
御殿場市では、2026年度も御殿場市に住んでいる人、または御殿場市で働いている人を対象とした日本語教室を開催しています。
日本語サポーターと交流しながら、生活に必要な日本語や、ごみの出し方などを学ぶ内容です。
企業が日本語教育や生活相談のすべてを抱え込む必要はありません。市の日本語教室や相談窓口など、地域の支援先を外国人社員へ案内できるようにしておくことが大切です。
まとめ|外国人社員を現場任せにしない企業が選ばれる
御殿場市の外国人住民は、2026年6月末時点で3507人となり、市人口の約4.2%を占めています。
製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業など、多様な産業がある御殿場市では、外国人材が地域の雇用と生活を支える存在として、今後さらに重要になる可能性があります。
しかし、外国人材を採用した後の対応を、配属先の上司や一部の社員だけへ任せると、本人にも現場にも負担が集中します。
企業として、少なくとも次の役割を明確にしておく必要があります。
- ・仕事内容や安全ルールを教える教育担当者
- ・人間関係や生活上の相談を受ける担当者
- ・在留期限や雇用手続を確認する担当者
- ・通勤、住居、冬季対応を入社前に確認する担当者
- ・入社後1か月、3か月、6か月の定期面談
また、技人国人材を採用する場合は、本人の学歴、専攻、職務経験と、入社後に任せる専門業務が合っているかを確認しなければなりません。
株式会社SAITORAIでは、御殿場市を含む静岡県東部の企業に対し、日本国内に在留するベトナム人をはじめとした東南アジア出身の技術・人文知識・国際業務の外国人材をご紹介しています。
CADエンジニア、機械設計エンジニア、品質保証、業務系システムエンジニア、WEB・アプリ開発、サーバー・ネットワークエンジニア、通訳・翻訳、海外対応など、求人内容と候補者の経験、日本語力、学歴、在留資格を確認したうえでご紹介します。
なお、製造ライン、レジ、配膳、客室清掃、調理補助などの現場業務を主とする人材や、技能実習、特定技能人材の紹介は行っておりません。
外国人社員を長く育成し、専門性を生かしてもらう正社員採用についてご相談ください。
御殿場市や静岡県東部で外国人材をお探しの企業様は、技人国人材の採用相談フォームよりお問い合わせください。
CAD、機械設計、品質保証、IT、通訳・翻訳など、
専門業務を担う国内在留の技人国人材をご紹介します。
求人内容と候補者の経験を確認し、採用まで一括して支援します。
出典: 御殿場市「御殿場市人口・世帯数一覧表(令和8年6月30日現在)」
御殿場市「御殿場市人口・世帯数一覧表(令和8年3月31日現在)」
人口は住民基本台帳に基づく数値です。産業別従業者数は2021年経済センサスに基づく全従業者の数値であり、外国人だけの人数ではありません。在留資格の許可や更新は、実際の仕事内容、学歴、職務経験、雇用条件などを基に個別に審査されます。

