採用競争で出遅れる?|なぜ裾野市は外国人人口の伸びが小さいのか
裾野市の外国人数は、2016年7月の665人から、2026年7月には1018人へ増加しました。10年間で353人増、増加率は約53.1%です。外国人人口そのものは増えていますが、裾野市が公表した分析資料では、2016年以降の外国人人口の増加が近隣市町で最も小さいとされています。原因を一つに断定することはできませんが、外国人材が勤務先や居住地を選ぶ際には、求人の仕事内容、給与、雇用形態、交通、住居、買い物環境などが総合的に比較されます。本記事では、裾野市の外国人人口が周辺地域ほど伸びていない背景を確認し、外国人材から選ばれる企業になるための採用条件を解説します。
- ・裾野市の外国人数は、2026年7月1日時点で1018人です。
- ・2016年7月の665人から約53.1%増えています。
- ・ただし、市の比較分析では、2016年以降の増加が近隣市町で最も小さいとされています。
- ・伸びが小さい理由は一つに断定できず、仕事と生活の選択肢を周辺地域との比較で考える必要があります。
- ・外国人材から選ばれるには、仕事内容、給与、通勤、住居、教育、キャリアを具体的に示すことが重要です。
裾野市の外国人数は1018人|増えているのに伸びが小さいとは
裾野市の月別人口統計によると、2026年7月1日時点の総人口は4万8107人で、このうち外国人は1018人です。
外国人が総人口に占める割合は約2.1%となります。
2016年7月1日時点では、総人口5万2760人、外国人665人でした。10年間で総人口は4653人減少しましたが、外国人数は353人増加しています。
| 項目 | 2016年7月 | 2026年7月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総人口 | 5万2760人 | 4万8107人 | 4653人減 |
| 外国人数 | 665人 | 1018人 | 353人増 |
| 総人口に占める外国人の割合 | 約1.3% | 約2.1% | 約0.8ポイント上昇 |
| 外国人数の増加率 | - | - | 約53.1%増 |
裾野市では外国人数が減少しているわけではありません。2025年1月は888人、同年3月は920人、同年7月は975人、2026年7月には1018人となっています。
重要なのは、裾野市だけを見れば増加している一方、富士市や御殿場市などの近隣地域と比較すると、2016年以降の伸びが小さいという点です。
外国人人口の伸びが小さい理由を、人口統計だけで断定することはできません。市の資料は近隣市町との増加率の差を示していますが、一人ひとりが裾野市以外を選んだ具体的な理由までは示していません。
そのため、記事では「外国人が裾野市を避けている」と決めつけるのではなく、雇用機会と生活環境の両面から考える必要があります。
なぜ富士市や御殿場市ほど外国人人口が伸びていないのか
結論から言うと、裾野市の外国人人口の伸びが小さい理由は、一つの原因では説明できません。
外国人材が勤務先や居住地を選ぶ際には、仕事の数だけでなく、仕事内容、給与、雇用の安定性、通勤、住居、買い物などを総合的に比較します。
市内の事業所数と従業者数が減少してきた
裾野市の社会経済動向に関する分析資料では、市内の事業所数と従業者数が長期的に減少してきたことが課題として示されています。
また、市内大規模工場の閉鎖などが、製造品出荷額や従業者数の減少に影響したと分析されています。
働く場所や求人の選択肢が減れば、外国人材だけでなく、日本人の若手や転職希望者にとっても、裾野市を勤務先として選ぶ理由が弱くなる可能性があります。
周辺地域には異なる雇用の選択肢がある
富士市には、紙・パルプ、化学、輸送機器、機械などの製造業が集積しています。
御殿場市には製造業に加え、大型商業施設、ホテル、飲食、観光関連など、幅広い雇用があります。
沼津市や三島市には、商業、物流、サービス、IT、医療関連などの仕事があり、鉄道や生活施設の選択肢もあります。
裾野市内で働くより、周辺市町の企業で働き、沼津市、三島市、長泉町、御殿場市などに住む方が、本人の希望に合うケースも考えられます。
外国人材の採用競争は、市内企業同士だけで行われるものではありません。裾野市の企業は、静岡県東部全体の求人や生活環境と比較されていると考える必要があります。
求人の内容と賃金条件も比較される
外国人材は「外国人を採用している会社」という理由だけで応募するわけではありません。
特に日本国内ですでに働いている外国人は、日本企業での勤務経験があり、求人票の条件を比較できます。
- ・基本給はいくらか
- ・賞与や昇給はあるか
- ・正社員採用か有期雇用か
- ・残業や交替勤務はどの程度あるか
- ・担当する仕事内容は明確か
- ・これまでの経験を生かせるか
- ・将来、昇給や昇進が期待できるか
「外国人歓迎」と書くだけで、仕事内容や待遇が曖昧な求人は選ばれにくくなります。
交通・住居・買い物環境は採用条件になるのか
交通、住居、買い物環境は、外国人材の採用と定着に影響します。
給与が高くても、会社へ通えない、住居を借りられない、日常の買い物が難しいという状態では、長く働くことはできません。
勤務地によっては自動車通勤が必要
裾野市は裾野駅と岩波駅を中心とする公共交通ネットワークの形成を進めています。
一方、市内には鉄道駅や路線バスの停留所から離れた地域もあり、工場や事業所の場所、勤務時間によっては自動車や自転車が必要です。
企業は、面接や内定時に次の項目を確認する必要があります。
- ・現在の住居から会社までの通勤時間
- ・始業時刻までに公共交通機関で到着できるか
- ・夜勤や早朝勤務にも利用できる交通手段があるか
- ・日本で有効な運転免許を持っているか
- ・自動車や自転車を所有しているか
- ・冬季や悪天候時にも安全に通勤できるか
求人票に「車通勤可」と書くだけでは不十分です。「車がなければ通勤できない」のか、「駅から送迎がある」のかを明確にしましょう。
転居を伴う採用では住居の確認が必要
静岡県外や県内の遠方から採用する場合は、裾野市または周辺地域への転居が必要です。
- ・外国人の入居に対応できる不動産会社
- ・保証会社や緊急連絡先の条件
- ・敷金、礼金、仲介手数料などの初期費用
- ・家賃、駐車場代、通勤費の負担
- ・入社日までに契約と引っ越しが完了するか
企業が社宅を用意する義務がない場合でも、対応可能な不動産会社を案内し、勤務地との距離を一緒に確認すると入社が円滑になります。
買い物や病院も生活圏として確認する
外国人材は、勤務時間以外も裾野市や周辺地域で生活します。
食料品を購入できる店舗、病院、金融機関、携帯電話、行政手続、日本語学習の場所などを利用できなければ、生活上の負担が大きくなります。
裾野市では、外国人向けの生活相談や、日本語を学ぶための日本語教室が実施されています。
企業だけで生活上の問題をすべて解決する必要はありませんが、相談窓口や地域の支援先を案内できる担当者を決めておくことが重要です。
外国人材から選ばれる会社と選ばれない会社の違い
外国人材から選ばれる会社は、外国人だけを特別扱いする会社ではありません。
仕事内容、給与、教育、評価、将来のキャリアが明確な会社です。
| 比較項目 | 選ばれやすい会社 | 選ばれにくい会社 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 担当業務と責任範囲が具体的 | 「何でもやってもらう」と説明する |
| 給与・評価 | 給与、昇給、賞与、評価基準が明確 | 外国人という理由で条件を下げる |
| 教育 | 教育担当者と業務マニュアルがある | 入社後は現場へ任せきりにする |
| 日本語 | 仕事に必要な日本語力を面接で確認する | 資格の級だけで判断する |
| 通勤・住居 | 入社前に通勤方法と住居を確認する | 本人が何とかすると考える |
| キャリア | 昇給、資格、リーダーへの道筋がある | 長期間、補助業務だけを任せる |
技人国人材は仕事内容から採用を考える
裾野市の製造業や関連企業では、CAD、機械設計、電気・電子設計、生産技術、品質保証、社内システムなどの専門人材を採用できる可能性があります。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」で採用する場合は、本人の学歴、専攻、職務経験と、入社後に任せる仕事の関連性を確認します。
- ・機械設計、電気・電子設計
- ・CADによる図面作成、設計変更
- ・生産技術、工程設計、設備導入
- ・品質データ分析、不具合原因の究明
- ・業務系システムの設計、開発、保守
- ・WEB・アプリ開発
- ・サーバー、ネットワークの設計・運用
製造ラインの組立、加工、検査、梱包などを主業務とする採用は、一般的に技人国ビザの対象にはなりません。
「エンジニア」「品質管理」「CAD」という職種名だけでは判断されません。実際の仕事内容、専門性、本人の専攻や経験との関連性が確認されます。
面接で確認すべき内容
- ・前職で担当した製品、設備、システム
- ・使用経験のあるCADや開発環境
- ・一人で担当した範囲と補助として担当した範囲
- ・不具合や納期遅延を日本語で報告できるか
- ・図面、仕様書、作業指示を理解できるか
- ・現在の在留資格と在留期限
- ・希望する仕事内容と将来のキャリア
- ・通勤や転居に問題がないか
裾野市や静岡県東部で、CAD、機械設計、ITなどを担う外国人材をお探しの企業様は、技人国人材の採用相談フォームよりお問い合わせください。
まとめ|企業誘致だけでなく個々の会社の採用力が必要
裾野市の外国人数は、2016年7月の665人から2026年7月には1018人へ増加しました。
外国人人口が減っているわけではありませんが、市の分析では2016年以降の増加が近隣市町で最も小さいとされています。
裾野市は、事業所数や従業者数の減少を補い、企業から新たな就業場所として選ばれるため、企業誘致を進める必要があると分析しています。
2026年度の施政方針でも、企業の新規立地支援、工業用地開発、企業誘致や産業支援を一体的に進める方針が示されています。
ただし、新しい企業や雇用が増えるだけで、外国人材が自動的に集まるわけではありません。
個々の企業が、次の条件を整える必要があります。
- ・専門性を生かせる明確な仕事内容
- ・日本人と公平な給与と評価
- ・正社員としての安定した雇用
- ・通勤と住居の事前確認
- ・教育担当者と相談担当者
- ・定期面談とキャリア形成
外国人材から選ばれる地域になるためには、企業誘致による雇用の創出と、既存企業の採用力・定着力の向上を同時に進めることが重要です。
株式会社SAITORAIでは、裾野市を含む静岡県東部の企業に対し、日本国内に在留するベトナム人をはじめとした東南アジア出身の技術・人文知識・国際業務の外国人材をご紹介しています。
CADエンジニア、機械設計エンジニア、品質保証、業務系システムエンジニア、WEB・アプリ開発、サーバー・ネットワークエンジニアなど、求人内容と候補者の経験、日本語力、学歴、在留資格を確認したうえでご紹介します。
なお、製造ライン、検査、梱包、物流倉庫などの現場業務を主とする人材や、技能実習、特定技能人材の紹介は行っておりません。
CAD、機械設計、品質保証、IT、社内システムなど、
専門業務を担う国内在留の技人国人材をご紹介します。
求人内容と候補者の経験を確認し、無理なマッチングは行いません。
本記事は2026年7月28日時点の公表情報を基に作成しています。外国人数は住民基本台帳に基づく数値であり、外国人労働者数とは異なります。在留資格の許可や更新は、実際の仕事内容、本人の学歴、職務経験、雇用条件などを基に個別に審査されます。

