
インドネシア人の特定技能試験とは?試験内容や合格率を紹介
1. はじめに
特定技能制度では、外国人が日本で就労するために、一定の技能水準と日本語能力を証明する必要があります。これにより、即戦力となる人材を公平かつ適正に受け入れることができます。
インドネシア人は、特定技能制度における主要な対象国のひとつです。日本との経済連携協定(EPA)を背景に、介護や外食業などで多くの人材が活躍しています。インドネシア国内でも試験制度が整備され、受験者が年々増加しているのが特徴です。
2. 特定技能試験とは?
制度の概要と目的
特定技能試験は、外国人が日本で特定分野の仕事をするための要件として設けられている制度です。現場で即戦力として働けるスキルと、日本での生活に必要な言語能力を確認することが目的です。
日本語試験と技能試験の2本柱
試験は主に以下の2種類で構成されています。
- 日本語能力試験(JLPT N4相当以上)または 国際交流基金日本語基礎テスト:日常会話や簡単な読み書きができるレベル
- 技能試験:希望する業種(介護、外食、宿泊など)ごとに設定された、実務スキルを評価する試験
3. インドネシア人が対象の特定技能試験の種類
受験可能な業種と試験名
インドネシア人が受験可能な特定技能試験は、以下の分野を中心に展開されています。
- 介護:介護技能評価試験
- 外食業:外食業技能測定試験
- 宿泊業:宿泊業技能測定試験
- 農業:農業技能測定試験
- 建設:建設分野特定技能評価試験
- 自動車整備:自動車整備分野特定技能評価試験
特に受験者が多い分野
インドネシアでは特に介護・外食・農業の分野で受験者が多く、日本国内での人手不足解消に貢献しています。介護分野においては、インドネシア政府と日本政府の連携も強く、試験体制が整備されています。
4. 試験の内容と形式
日本語能力試験(JLPT・NAT等)
特定技能1号のビザを取得するためには、日本語能力の証明が必要です。インドネシア人が多く受験する主な試験は以下の通りです。
- 日本語能力試験(JLPT):N4レベル以上が目安。基本的な日本語の読み書き・会話が可能なレベルです。
- 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):生活に必要な基礎日本語能力を測るテスト。JLPTと同等の扱いになります。
どちらの試験も、語彙・文法・読解・聴解をバランスよく問う構成となっており、受験者の実用的な日本語力が求められます。
各業種の技能試験内容と出題傾向
特定技能の技能試験は、業種ごとに内容と形式が異なります。以下は代表的な業種の出題傾向です。
- 介護:介護技術、感染予防、コミュニケーション、施設内での対応などを問う実務中心の問題。
- 外食業:衛生管理、接客マナー、料理提供手順など、店舗業務の基礎を確認する問題。
- 林業:伐木や造林作業の知識、安全装備の使い方など、安全意識と作業知識を問う。
- 木材産業:製材や木材加工の工程、安全対策、機械操作に関する基礎知識が出題される。
- 自動車運送業:輸送管理、積載ルール、道路交通法、運転マナーなど、実務重視の出題傾向。
いずれの試験も、選択式(マークシート)形式が多く、現場で役立つ知識と日本語理解力が求められます。
5. 試験の難易度と合格率
インドネシア人の合格状況
インドネシアでは、政府が特定技能に力を入れており、多くの候補者が特定技能試験にチャレンジしています。
業種によって異なりますが、技能試験の合格率は50〜80%程度とされており、日本語試験(JFT-Basic)は約60〜70%前後の合格率です。
特に介護・外食・建設・自動車運送業では合格者数が年々増加しており、インドネシア人は世界的にも高い合格実績を持っています。
試験対策や合格のコツ
- 早めの学習開始:試験日程が限られているため、早期からの日本語学習と技能理解が重要です。
- 模擬試験の活用:過去問や模擬テストを繰り返し解くことで、試験形式に慣れることができます。
- 専門用語の理解:業種ごとの専門用語や作業工程を日本語で覚えると得点につながります。
- 現地での対策講座:インドネシア国内では、試験対策スクールや日本語教室が多く整備されています。
インドネシア人の多くはまじめで学習意欲が高く、サポート体制が整えば高い合格率が期待できます。
6. まとめ
インドネシア人が特定技能で日本に就労するには、日本語試験と技能試験の合格が必須です。試験の難易度は業種によって異なりますが、しっかりと準備をすれば合格は十分可能です。
受験者は早期からの学習と模擬試験対策を、企業は情報提供や試験対策支援の体制構築を行うことが、スムーズな人材確保の鍵となります。
また、今後の試験スケジュールや受験制度の動向にも注目し、柔軟に対応していくことが大切です。
インドネシア人の特定技能試験合格者の増加により、日本の労働力不足を補う重要な存在として、今後さらに活躍が期待されます。