15.7%増|静岡県で技人国ビザ人材の採用が広がる理由
静岡県で働く在留資格「技術・人文知識・国際業務」の外国人労働者は、2025年10月末時点で9399人となり、前年から15.7%増加しました。県内では、製造、設計、IT、通訳、貿易、マーケティングなど、専門知識を必要とする分野で外国人材の活用が広がっています。若手技術者や専門職の採用が難しくなるなか、技人国ビザ人材は中小企業にとって有力な採用候補です。ただし、仕事内容、学歴、職務経験、在留資格が一致していなければ、適正な採用にはなりません。本記事では、静岡県の最新統計を基に、技人国ビザ人材が増えている背景と、企業が採用前に確認すべきポイントを解説します。
静岡県の技人国ビザ人材は9399人|4年間で約1.7倍に増加
静岡労働局が公表した「外国人雇用状況」の届出状況によると、2025年10月末時点で、静岡県内の「専門的・技術的分野の在留資格」に該当する外国人労働者は2万230人でした。前年より3584人増え、増加率は21.5%です。
ただし、「専門的・技術的分野の在留資格」には、技術・人文知識・国際業務だけではなく、特定技能、経営・管理、教育、介護、技能なども含まれます。技人国ビザ人材に限定すると、人数は9399人で、前年比は15.7%増です。
| 調査年 | 技人国ビザ人材数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021年 | 5440人 | 10.3%増 |
| 2022年 | 6099人 | 12.1%増 |
| 2023年 | 7095人 | 16.3%増 |
| 2024年 | 8122人 | 14.5%増 |
| 2025年 | 9399人 | 15.7%増 |
2021年の5440人と比べると、2025年は約1.7倍です。毎年二桁の増加が続いており、県内で専門知識を持つ外国人材の雇用が着実に拡大していることが分かります。
技人国ビザ人材は、単純な人手不足を補うための労働力ではありません。大学や専門学校で学んだ知識、母国や日本で積んだ実務経験、語学力などを生かし、企業の専門業務を担う人材です。
製造県・静岡で技人国ビザ人材が求められる背景
静岡県は、自動車、輸送用機械、電気機械、食品、化学、医療機器など、多様な製造業が集積する地域です。県東部、中部、西部のそれぞれに工場や技術拠点があり、設計、開発、生産技術、品質管理などを担う人材が必要とされています。
実際に、静岡県内の技人国ビザ人材9399人のうち、製造業で働く人は3517人で、全体の37.4%を占めています。技人国ビザ人材の勤務先として、製造業が最も大きな割合を占めていることからも、静岡県の産業構造との相性の良さがうかがえます。
県内企業で専門人材の採用が難しくなっている背景には、次のような課題があります。
- 若手の設計者や技術者からの応募が集まりにくい
- 熟練社員の高齢化が進み、技術承継が必要になっている
- CADやITなどの経験者採用で企業間競争が激しくなっている
- 取引先の海外展開に伴い、外国語対応が必要になっている
- 人事担当者が少なく、採用活動に十分な時間を割けない
- 求人広告を出し続けても、条件に合う人材が見つからない
このような状況で、日本人採用だけに対象を限定すると、採用までに長い時間がかかる場合があります。一方、日本国内には、大学や専門学校を卒業し、技人国ビザで働いている外国人材が多数在留しています。
すでに日本企業で働いた経験を持ち、転職によって専門性を高めたいと考えている人材もいます。仕事内容、勤務地、給与、将来性が本人の希望と合えば、知名度の高くない中小企業でも採用できる可能性があります。
特に、経営者や現場責任者との距離が近く、仕事の成果が評価されやすい中小企業は、外国人材にとって魅力的な就職先になり得ます。大企業と同じ採用条件を提示することよりも、どのような技術を身に付けられるか、将来どのような仕事を任せてもらえるかを明確に伝えることが重要です。
CAD・設計・IT・通訳など|技人国人材を生かせる仕事
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、自然科学や人文科学の知識を必要とする業務、または外国の文化に基盤を持つ思考や感受性を必要とする業務を対象としています。
出入国在留管理庁は、該当例として、機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、語学教師、マーケティング業務従事者などを挙げています。
製造・設計分野
- 機械設計エンジニア
- 電気・電子設計エンジニア
- CADオペレーター
- 生産技術
- 品質管理・品質保証
- 研究開発
- 設備設計
CADを使用する仕事であっても、単純な図面の修正やデータ入力だけではなく、設計知識や専門的な判断を必要とする業務であることが重要です。候補者が学校で学んだ専攻や過去の職務経験と、入社後の仕事内容との関連性も確認する必要があります。
IT・情報通信分野
- システムエンジニア
- プログラマー
- WEB・オープン系エンジニア
- アプリ開発エンジニア
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- 社内システム運用担当
IT分野では、プログラミング言語、開発環境、データベース、ネットワーク、クラウドなど、実務に必要な技術を具体的に確認することが重要です。単に「ITを学んだ」という経歴だけではなく、使用できる技術と担当できる工程を見極める必要があります。
通訳・貿易・海外対応分野
- 通訳・翻訳
- 海外取引業務
- 貿易事務
- 海外営業支援
- 外国人顧客対応
- 海外向けマーケティング
- 多言語での広報・商品企画
語学力を生かす仕事では、外国語を話せるだけではなく、その言語を使う業務が継続的に存在することが必要です。例えば、通訳として採用したにもかかわらず、実際の仕事の大半が倉庫作業や製造ライン作業である場合、技人国ビザの活動内容と一致しない可能性があります。
職種名ではなく、実際の仕事内容で判断されます。「エンジニア」「事務」「海外担当」という肩書きを付ければよいわけではありません。専門知識を必要とする業務が中心であることを、求人票や職務内容説明書で明確にする必要があります。
技人国ビザ人材の採用前に企業が確認すべき5つのポイント
技人国ビザ人材の採用では、人柄や日本語力だけでなく、在留資格上の条件と担当業務との適合性を確認する必要があります。採用後の問題を防ぐためにも、面接前の段階から確認項目を整理しておきましょう。
1.担当してもらう仕事内容を具体化する
最初に行うべきことは、「外国人を採用する」と決めることではなく、自社で不足している業務を明確にすることです。
例えば、「CADが使える人」だけでは条件が曖昧です。使用するソフト、扱う図面、製品分野、設計補助か設計担当か、顧客との打ち合わせがあるかなど、実際の業務まで具体化します。
IT分野でも、システム開発、インフラ構築、保守運用、テストなど、担当する工程によって必要な経験は異なります。業務内容が明確になるほど、適した候補者を選びやすくなります。
2.学歴・専攻・職務経験との関連性を確認する
技術や人文知識を必要とする業務では、原則として、担当業務に関連する科目を大学などで専攻していること、日本の専門学校で関連分野を修了して専門士または高度専門士の称号を得ていること、または一定の実務経験を持つことが求められます。
技術・人文知識分野では、10年以上の実務経験が要件になる場合があります。通訳、翻訳、海外取引、広報などの国際業務では、原則として関連業務の3年以上の実務経験が必要ですが、大学卒業者が通訳、翻訳、語学指導を行う場合などには例外があります。
在留資格の可否は個別に審査されるため、卒業証明書、成績証明書、職務経歴書などを確認し、予定する業務との関連性を整理することが大切です。
3.在留カードと現在の就労状況を確認する
国内在留者を採用する場合は、在留カードの表面と裏面を確認します。主な確認項目は、在留資格、在留期間、在留期限、就労制限の有無です。
現在も技人国ビザを持っている場合であっても、転職先の仕事内容が従来と大きく異なる場合には、在留資格との適合性を慎重に確認する必要があります。
採用予定の業務が技人国ビザに該当するか不安がある場合は、入管業務に詳しい行政書士などの専門家へ確認することが安全です。
4.実務で必要な日本語力を見極める
日本語能力試験の級は参考になりますが、資格だけで仕事上の日本語力を判断することはできません。
- 上司の指示を正確に理解できるか
- 分からないことを自分から質問できるか
- 図面や仕様書の内容を読めるか
- 専門用語を理解できるか
- 報告、連絡、相談ができるか
- メールや日報を作成できるか
- 顧客や取引先への対応ができるか
面接では、実際の仕事内容を想定した質問を行うことが有効です。過去の仕事を日本語で説明してもらう、図面や製品を見せて説明を求める、トラブル時の対応方法を質問するなど、実務に近い形で確認します。
5.給与・評価・将来の役割を明確にする
技人国ビザでは、日本人が同じ仕事に従事する場合と同等額以上の報酬を受けることが求められます。外国人だからという理由で低い給与を設定することは適切ではありません。
また、入社後の昇給、評価基準、担当業務、キャリアアップの可能性も明確に伝えます。外国人材は、日本で長く働き、専門性を高めたいと考えている人も少なくありません。
「入社後も同じ補助業務だけを担当する」のか、「経験を積めば設計や顧客対応を任せる」のかによって、求人の魅力は大きく変わります。将来の役割を伝えることは、採用だけでなく定着にもつながります。
技人国人材の採用で重要なのは、人数を集めることではなく、自社の業務と候補者の経歴が合っているかを見極めることです。仕事内容、専門性、日本語力、労働条件を事前に確認することで、採用後のミスマッチを減らせます。
静岡県内でCAD、機械設計、IT、通訳、貿易などを担当できる外国人材を探している企業様は、技人国ビザ人材の採用相談フォームよりお問い合わせください。
まとめ|技人国人材は静岡県の専門職採用を支える選択肢
静岡県で働く技人国ビザ人材は、2025年10月末時点で9399人となり、前年から15.7%増加しました。2021年と比べると約1.7倍となっており、県内で専門知識を持つ外国人材の採用が広がっています。
特に製造業では、機械設計、電気設計、CAD、生産技術、品質管理など、技術系人材の需要があります。IT分野では、システム開発、プログラミング、サーバー、ネットワークなどの経験者も採用候補になります。
通訳、翻訳、貿易、海外営業支援、マーケティングなど、外国語や海外経験を生かせる分野でも、技人国人材の活用が可能です。
ただし、技人国ビザは、どのような仕事でも自由に担当できる在留資格ではありません。仕事内容、学歴、専攻、職務経験、報酬、在留資格の適合性を確認し、適正な雇用を行う必要があります。
株式会社SAITORAIでは、日本国内に在留するベトナム人をはじめとした東南アジア出身の技人国人材を中心に、企業様への人材紹介を行っています。
CADエンジニア、機械設計、業務系システムエンジニア、WEB・オープン・アプリ開発、サーバー・ネットワークエンジニアなど、求人内容と候補者の経験を確認し、無理なマッチングを行わずにご紹介します。
日本人の応募を待ち続けるだけでは採用が難しい場合でも、対象を国内在留の外国人材まで広げることで、条件に合う人材と出会える可能性があります。専門職の採用にお悩みの企業様は、早い段階からご相談ください。
CAD、機械設計、IT、通訳、貿易など、
専門職を担う国内在留の外国人材をご紹介します。
求人内容が技人国ビザに合うか分からない場合も、お気軽にご相談ください。
出典: 静岡労働局「静岡県の外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末現在)」
出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」
掲載している統計は2025年10月末時点の届出状況に基づいています。在留資格の許可や更新は、個別の申請内容に基づいて審査されます。

